めまいは『これ以上頑張るな』という体の黄色信号です。

この記事を書いた人
富田耳鼻科@新発田市

富田雅彦:耳鼻科クリニックの医師です。
富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

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めまいの各論の解説記事です。まず始めにこの記事を読んでめまい全般について理解してください。

めまいを時間軸で分類します。①救急・急性期めまい、②亜急性期めまい、③慢性期めまいの3段階です。

救急・急性期めまい:目の前がグルグル回り、立っていられなくなり、吐いている状態。動くたびにグラグラして吐き気がする。数十分から数時間続く。

 まずめまいが起こったら、安静にして楽な態勢をとりましょう。めまいが生じてから1-2時間で症状が和らいでいくか、他の別な症状(吐気嘔吐を除く)がないかを判断しましょう。簡単にできることは、パタカなどと発音することです。滑舌が悪く、しゃべりづらい場合は注意が必要です。めまいが数時間で落ち着いたあとに歩行してみてください。フラフラしながらも転倒したりしないで、歩ければ緊急の状態ではありません。心配でしたら救急外来やかかりつけ医に受診してみてください。ただしこの急性期の状態をピタリと止める薬は残念ながらありません。めまいはこれ以上頑張ると体が壊れるよというサイン、つまり体の黄色信号ですからしっかり休みましょう。

亜急性期めまい:急性期のめまいが落ち着いた後の時期で、フラフラするとか、クラッとする事が一日中続き、徐々に感じなくなっていく状態。1週間から1か月ぐらい続く。

  この時期にめまいがするということで医療機関を受診される方が多いです。あの時の急性めまいは何だったのだろうと振り返り、病院で頭を調べてもらったが、頭は異常なく、耳鼻科に行ってみたらと言われて、外来を受診されます。この頃にはバランスのセンサーの異常も代償が利いて改善しているため検査で異常はほとんど見つかってきません。

めまい診断には、めまいが起こった直前から数十分後までの症状が重要です。

  急性期のめまいがどのように起こったか、特にめまい前後数秒から数十分の間に経験したことを過去にさかのぼって思い出してもらい、そのめまいのパターンから原因を探ります。ただし教科書にのるような病名として分類されるものは半分程度で、他は一過性のめまい症という診断になります。つまり自然経過でおこったバランスのセンサー異常です。これらは後遺症を残すようなものではありません。抗めまい薬は、急性期と亜急性期にのみ効果があるため、1か月以上は続ける必要はありません。

慢性期めまい:急性期から数か月経ているのに、ふらつく感じがする。

 この慢性期に移行する場合は、大きく2つに分かれます。多いのは亜急性期の時期にバランスのセンサー異常が回復しなかった場合です。回復には二つの状態があります。一つはセンサー異常自体が改善する場合、一つは異常センサー以外の部分のセンサーが肩代わりして力を発揮して異常センサーをカバーしてくれる(代償)状態です。この代償状態が弱いと、バランスセンサーに余力がない状態であり、急な動きや疲れてきたときにふらつきを感じるわけです。この改善には薬は効果ありません。リハビリが必要です。起き上がり行動する事、体操や軽い運動で構いません。とにかくバランスセンサーを鍛えましょう。

 『またあんなつらいメマイがあったらどうしよう。』

 もう一つの慢性期に移行する理由は心理的な要素、不安が多い場合です。過度の心配は、ふらつき、めまいを引き起こします。またあんなグルグル回るめまいと空吐きを体験したくない。車の運転中になったらどうしよう。病院では異常ないと言われたけど、原因がわからない。めまいはないけどフラフラする感じがあるし、疲れやすく、寝られない。こういった状態がストレスとなり外出しないとか横になってばかりいることで、バランスのセンサーがサボる傾向になります。このため余計めまいがするという悪循環に陥るのです。こういう場合安定剤や抗うつ剤などや意識改革、生活改善などが必要になってきます。

 メマイは寝ていては治らない

大事なことは、バランスのセンサーを鍛えることです。不安もセンサーを狂わします。姿勢の維持にも筋力が大事です。ストレスを貯めずに、適度な運動をして、心身ともに充実した生活を送ればめまいとは無縁でいられるわけです。ストレスについての記事もご参考に。

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