MRIで、脳腫瘍なしといわれ、肩こりからくると言われたけど、私の頭痛は何?

肩こり首コリが原因の緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)について説明します。一番多い頭痛です。

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頭痛は何科にかかれば良いの?

 頭痛が急に出た場合、みなさんは脳腫瘍や脳卒中を心配して脳神経外科、脳神経内科にかかることが 多いと思います。そこで頭部 CT か MRI を撮って異常がなければ、鎮痛薬だけ出して終わりになっていると思います 。診断名がはっきり付かずに鎮痛薬だけで痛みを和らげている、こういう方もいるのではないでしょうか。頭痛は頭痛そのものが病名の1次性頭痛と、他の疾患があってそれが原因で頭痛の症状をしめす2次性頭痛に分けられます。

 頭痛そのものが病名となる、1次性頭痛は片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛という三つに分けられます。 これ以外に生命に危険のある2次性頭痛を鑑別することができれば、頭痛の診断がつけられます。 しかし稀な頭痛はたくさんありますし、首から下の全身の病気で頭痛が引き起こされる場合があります。 耳鼻科の範囲では、頭痛を引き起こす2次性頭痛を扱います。さらに頻度が多い、片頭痛とめまいの関連もあり、メマイ診療で片頭痛を見ることも多くなっています。そこで頭痛のお話をしたいと思います。

頭痛はどのくらいの人が苦しんでいるのでしょうか

日本人の6割の方は、頭痛の経験がありませんが、緊張型頭痛の有病率は、2割になります。日本人15歳以上の4000人を調べた調査では、片頭痛の有病率は男性が3.6%、女性が12.9%でした 。さらに年齢分布を調べると、20代から50代の働き盛りの年齢に非常に多く認められました 。 頭痛は繰り返し起きているのに本人しか苦痛が分からないため、患者の負担が大きく社会的損失が大きくなっています 。

慢性頭痛で悩む人の約60%は緊張型頭痛に分類される

 毎日のように頭が重く、頭全体をぎゅーっと締め付ける痛みが一日中続きます。特に午後から夕方になるとひどくなります。ストレスの最中に起こりやすいことからストレス頭痛とも言われます。 次の自己診断のチェックのついた項目が四つ以上あり、片頭痛のような吐き気、光、音過敏がなければ、ほぼ確実に緊張型頭痛になります。

4つ以上当てはまれば緊張型頭痛です

□頭の両側が痛む
□頭がぎゅーっと締め付けられるような圧迫されるような痛みがある
□寝込むほどの痛みではない
□歩行や階段を上るなどの動きで頭痛がひどくなることはない
□頭痛がある時に吐き気はない
□頭痛の時光を過敏に感じることはない
□頭痛の時音を過敏に感じることはない

 緊張型頭痛は、ストレスの最中に、ストレスそのものが原因で起こります。スマホやパソコンを1日行っていると、夕方から頭全体が重く締め付けられるような頭痛が起こります。うつむき加減の姿勢を続けると、頭を支える首の筋肉に負担がかかり続け、筋肉が持続的に収縮します。後頭部を触ってみると、後頭部の筋肉にゴリゴリとした凝りがあるのがわかります。筋肉の収縮とともに疲労物質の乳酸などが溜まりとても硬くなるのです。首の筋肉は後頭部に付着していて頭の筋肉も同じ場所にくっついているため、いくつにも重なっており、首の筋肉の収縮が頭全体の筋肉にもおよび、頭痛が起こると考えられています。肩こり頭痛というよりは首こり頭痛といえます。

緊張型頭痛はふわふわするめまいの原因にもなる。

 人間は立って歩いて生活していますので頭を支える首の筋肉の働きは重要です。バランスをとるセンサーは耳と頭と目に加えて、体幹にもあります。主に首や腰の筋肉の収縮のバランス情報でも自分の体勢や位置を知る手がかりにしています。ストレスや疲労によって首の あちこちで筋肉が収縮するので、脳は自分の置かれた位置が分からなくなり、ふわふわと感じます。横になると楽だったり背もたれに頭をくっつけると楽になる。これが緊張型頭痛によく見られるめまいです。

緊張型頭痛の改善に首回しは厳禁

 首のマッサージで痛みが取れれば緊張型頭痛と言えます。ただし首をグルグル回すと首の疲れを取るのに良いと誤解されがちですが、これは首の筋肉にさらに負担をかけます。できるだけ首に負担をかけないで首の血行良くすることが基本です。首よりも肩を回すことで肩こりを解消するのがポイントです。頭痛のない時に肩を回しストレッチし肩と首の血行を良くする。 肩甲骨同志を背中でくっつくようになると、胸が開いて、姿勢が良くなります。これにより、顎や頭が後ろにくることで、頭の重心が後ろになり、後頚部に頭の重さがかからなくなり、頭痛の予防になります。

かなり多い薬剤乱用性頭痛

 鎮痛薬を飲み過ぎるとなぜ頭痛がひどくなるのでしょうか。私たちの体は頭痛などで痛みが起きると、その痛みが神経を通じて脳に伝えられ、痛みを抑える物質が出るようになっています。この物質と血管の炎症を抑える鎮痛薬の相乗効果で 、痛みは抑えられているのです。ところが鎮痛薬を容量より多く飲み続けると痛みが強制的に抑えられることで、本来痛みを調節すべき脳が、自分はやらなくても良いものだと勘違いしてしまい、次第に痛みを抑える物質を出さなくなってしまうのです。するとわずかな刺激でも頭が痛いと感じるようになります。これが鎮痛薬の飲み過ぎで頭痛が悪化するわけです。

  鎮痛薬の飲み過ぎで脳の痛みの番人をサボらせてしまう、脳の痛みの番人が働かないとちょっとした痛みも過剰に敏感に感じてしまう、そうしてまた痛み止めを飲む、という負の連鎖が生じます。 薬を飲みすぎることで、次第に脳は過敏になり、ちょっとした痛みでも反応してしまうのです。 月に10-15日以上鎮痛剤を飲む場合は、薬剤乱用性頭痛といえます。

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