水でむせても誤嚥性肺炎にはならない。口の中をキレイにして、肺炎予防に水分をとりましょう。

むせ込んでしまう方へ、肺炎が心配だと食事にトロミをつけている方へ、肺炎予防に大事なことをお伝えします。

飲み込みが悪いからと言って、水分にトロミをつけて飲む必要はありません。口腔ケアをして口の細菌を減らし、水分を多く飲むことで肺炎の予防になります。

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水が肺に入っても誤嚥性肺炎は起こらない

2017年にアメリカから2件調査がありました。慎重に選定された嚥下障害のある人で、飲水は必ずしも誤嚥性肺炎につながらないという結果がでています。養護施設に入所中の水を誤嚥する入居者の18ヶ月間の調査で、水をトロミもつけずに飲ませていたところ、肺炎になった人は234人中わずか2人でした。この二人も固形物の誤嚥が原因の肺炎であり飲水による肺炎ではなかったと報告されています。 水分を誤嚥する人に飲水を制限しても、その人たちが隠れて水分を飲むことがあったそうです。その割には肺炎は引き起こされていなかったことも報告されています。

肺炎は肺に入ったバクテリアによるもので、誤嚥だけでは肺炎にはならない

水には唾液と異なりバクテリア(細菌)はとても少ないです。水の中のバクテリアは1ml当たり100から1000バクテリアくらいと考えられています。しかしながら唾液中のバクテリアは1mm当たり1億個存在しているそうです。たとえ水を誤嚥したとしても水そのものには肺炎を発症させる力が弱く(バクテリアが少なく)、肺に入った水は簡単に血液中に吸収されます。

一定の条件下で、飲水することは肺炎の発症に必ずしもつながりません。むしろ嚥下障害の方の生活の質を高める(飲水制限を解除できる)効果があります。飲水の条件は、口の中がキレイであるということです。口の中の細菌が誤嚥した水とともに肺に回ってしまってはならないからです。嚥下障害の強い人は、徹底した口腔ケアと飲水が許されるのは食後でなく食間であるということです。食事中の水分摂取は、必ずとろみ水を用いるということが大事です。

口腔ケアで大事なことは、歯だけでなく上あごや舌などの付着物を拭き取ること

口腔ケアで大事なことは、歯ブラシなどで擦って浮かび上がらした汚染物を確実に口腔外に出すことです。これがノドにまわると、誤嚥して肺炎を引き起こす可能性があるからです。 もし吸引やうがいが出来ない場合は、ウエットティッシュなどで拭き取ることでも十分です。さらに大事なことは、歯だけではなくベロや口の中の上あごなども拭き取ることです。この場合も、ノドに回り込まないように、口の奥から手前に、歯も奥歯から手前まで、口の入り口方向に、汚染物を拭き取ってください

肺炎の予防のためには水分を取って脱水を改善しよう

食事中の誤嚥にはもちろん注意が必要です。万が一誤嚥をして肺に異物が入った時に、これを取り除くためには、水分が非常に重要です。 肺胞の表面には水が流れていて溜まった異物を外に出す作用があります。肺胞表面の異物は表面の水に流されて気管まで運ばれ、最終的に咳とともに異物を口の外まで出ていきます。

この水分は、気道粘膜表面の線毛と言われる毛の上に流れていて、異物やバクテリアを痰として運び出しています。この気道上皮の粘膜の線毛が無くなると、痰を外に排出できなくなり、肺炎になりやすくなります。気道上皮の上の水分が十分にあれば、感染症は起こりにくいわけです(参考文献1)。体に水分がなくなると当然気道上皮の水分が少なくなります。脱水に注意が必要なわけです。

それでは、日本人はどれぐらいの水分を飲めばよいのでしょうか

アメリカでは、国立の保健機関が適正水分摂取量として、男性は1日当たり3.7L、女性は1日あたり2.7 L の水と示しています。ヨーロッパでは男性2.5 L 、女性2.0 L の水の摂取を推奨しています。しかし日本では明確な基準はまだありません。

水分は飲水からだけでなく食事中の食物からも摂取されています。このため人間が必要な水分量は国によって異なるのです。欧米では、総水分摂取量の70〜80%が飲料からであり、20%〜30%が食品からといわれています。日本はアメリカやヨーロッパと違い食べ物からの水分摂取量が多い傾向にあり、50%を占めているという報告もあります。これは主食が米であるということが大きな原因と思われます 。

いつどれだけ水分をとればよいかという日本での研究を紹介します(参考文献2)。日本で起床から朝食までにペットボトル550ml一本と、夕食後から眠前までにペットボトル550ml一本のミネラルウォーターを摂取するように介入した群としない群の比較です。積極的に水分摂取した28名は、介入しない27名と比べて、血圧の低下や体温上昇上昇を認めました。水分を過剰摂取にすることによる、腎機能低下は全く認めず、体のむくみの原因となる細胞外の液体量も変化しませんでした。1日1.1Lの水を積極的にとることで、腎臓や心機能の落ちていない人は、より健康になり、肺炎予防になるはずです。

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