鼻にカビ?:カビのちくのう症の副鼻腔真菌症(上顎洞真菌症)の解説

質問を頂きました。大変分かりやすい解説ありがとうございます。慢性副鼻腔炎で薬物治療2ヶ月しましたが良くならず CT を撮ったところ上顎洞真菌症と言われ、手術の提案がありました。片方だけですが手術は片方だけになりますでしょうか?完治しますでしょうか?よろしくお願いします。

この記事を書いた人

富田雅彦:耳鼻咽喉科専門医: ドクターズファイル

めまい平衡医学会認定めまい相談医

YouTube: 耳鼻科医富田のいいみみチャンネル

富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

カビというのは真菌が正式名称です。上顎洞真菌症についてお話ししたいと思います。別記事の片側の鼻詰まりを起こす炎症の病気として紹介しました

片側の鼻つまりを引き起こす炎症の病気は、歯が原因で起こる歯性上顎洞炎、鼻の中にカビが生える上顎洞真菌症、この二つです。

実は鼻詰まりよりは、後鼻漏がこの二つの病気に典型的な症状です。

目次

片側のちくのう症の1から2割を占める副鼻腔真菌症

片側の副鼻腔炎に対して手術を行った166例の報告があります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo/55/6/55_434/_pdf/-char/ja

いわゆる片側だけの普通のちくのうの人が60%、歯が原因の歯性上顎洞炎が14%、副鼻腔真菌症は18%でした。

真菌症は男性に比較して女性が2倍でした。

急激発症の浸潤型とおとなしい非浸潤型にわけられ、ほとんどが慢性非浸潤型

副鼻腔真菌症は実は大きく3つのタイプに分かれます。

一つはカビ(真菌)が組織を壊し神経に入っていき、目の痛みやほっぺたの強い痛み、あとは神経症状が出てきて命に関わってくる浸潤型の真菌症。

それからアレルギーの要因が入ったアレルギーによる真菌症。

そして最も多いのは、慢性的に進んで組織や神経には及ばない非浸潤型の真菌症です。

この三つまとめて副鼻腔真菌症と言います。

質問者さんは、ゆっくり進行しておりますし手術を勧められた、CTで分かったということから慢性の非浸潤型真菌症と考えられます。

鼻の外側に空洞が何個もあります。この空洞は鼻の中と小さな通路で結ばれており、この通路が狭くなることによって鼻の周りにある副鼻腔の換気、風通しが悪くなります。

風通しが悪くなるとこの副鼻腔が真っ暗でジメジメしてきてカビが生えてくるのです。

これが慢性非浸潤性真菌症と言われる状態です。

副鼻腔真菌症の症状

一番多いのは上顎洞、鼻のすぐ脇にあるほっぺたの下に起こる方が8割を占めます

その他に目と目の間この部分にある篩骨洞に起こる方が2割弱でほっぺたに起こる方が多いです

頭のCTを撮ったら偶然に見つかった無症状の方も多くいらっしゃいます

それでも症状として一番多いものは黄色い鼻水が前から出ることやノドにまわるといった膿性鼻汁が4割を占めます

他にどうもほっぺたが重い感じがすることや下を向くとこの辺がもやもやするという顔面の痛みで分かる方が2~3割いらっしゃいます

片鼻が詰まる病気として紹介しましたが鼻づまりを訴える方は実は6%程度しかいらっしゃいません

副鼻腔真菌症の検査や診断方法

診断は質問者さんのようにCTで分かる方が圧倒的に多くカビの塊が石灰化といって白く光って写ります

カビのばい菌培養検査を行うことがありますが培養の結果まで時間が掛かりますしカビの死骸しか触れないためカビから来る蓄膿症と分かる方は1割程度です

血液検査で分かることもほとんどありません

蓄膿症の一般的な治療は飲み薬を飲んで2~3か月して効果がない場合は手術治療になります

副鼻腔真菌症では飲み薬治療がほとんど効果がないと言われていますそのため手術をすることが一般的です

カビの蓄膿だからといってカビをやっつける抗生物質である抗真菌剤を飲むことはありません。

なぜならほっぺたにつくカビはカビの死骸やほっぺたの空洞にカビが居付いているだけでほっぺたの粘膜や骨やその周りのお肉にはカビの菌は浸潤していないからです

副鼻腔真菌症の治療は手術

手術の治療によって、たまっているカビを鼻から掻き出して、鼻とたまっている空洞である副鼻腔との窓、通り道を大きく広げる。

これによってほっぺたと鼻との風通しを良くする、それにより空気を吸ったり吐いたりしてる時に、十分に副鼻腔に風が入る。

そうするとジメジメしていた副鼻腔もからっとした乾燥したお部屋になりカビが生えることはなくなりカビも死んでしまうこれが治療になります

そのため質問者さんのように片側の真菌症の場合はその病気がある片側だけの手術になります。

ただしこの副鼻腔と鼻との風通しが悪い原因に以前に説明した鼻中隔弯曲症が合併するとここの通路を広げても鼻が狭いために風通しの改善が少なくなります

そのため鼻中隔矯正術を同時に行う方が6割程度います

鼻手術をした後は副鼻腔のお部屋の掃除が必要になります

手術のあとは頻繁に鼻から生理食塩水をポンプで入れて大きく広げた副鼻腔に水を流し込み水分で洗浄する鼻洗浄を一日二回程度2~3か月行います

ジメジメしていた副鼻腔をお掃除することができたまっていたカビをやっつけることができます

手術治療によって完治し、2~3か月で元通りのお鼻となると思います

まとめ

副鼻腔真菌症の殆どを占める慢性非浸潤型はCTで診断ができる

つらい症状は顔面の痛みであったり黄色い鼻水が片方から出るもしくは黄色い鼻水が回って喉に落ちる

薬を飲む治療を数か月を行っても治りが悪い場合は手術治療を行います

手術治療によってほとんどの真菌症は治ります

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