食欲はタンパク質欲だった。ダイエットでは食物繊維を先に食べタンパク質を取ろう。

ダイエットをしても失敗してしまう人に、人間の食欲のメカニズムと食事の効果的な食べ方をお話しします。「科学者たちが語る食欲」デイヴィッド・ローベンハイマー (著), スティーヴン・J・シンプソン (著), 櫻井 祐子  (翻訳) サンマーク出版の内容から引用しております。

目次

すべての生物は、生命維持に最適な栄養割合を知っていて、本能的に、この割合になるように選んで食事をしている

 オラウータンは毎日の食事に、きっちり何を食べたとしても、カロリーの比率がタンパク質1に対して、炭水化物と脂肪が5になるという割合を意識的に崩さず食べているそうです。これにより健康を維持しています。

 更に、単細胞生物である粘菌は、必ずタンパク質に2対して炭水化物1の餌を好んで食べていました。これはこの粘菌が繁殖し、生きていくのに最も適した配合であるようで、本能的に粘菌も知っていて食べていいたのです。このように生物は色々な餌を与えたとしても、正確に生命維持に必要なタンパク質と炭水化物や脂肪などの食事の割合を知っていて、必ずそのように餌の割合を選んで食べるています。

食欲の正体はタンパク質欲だった

人間も同様でないかと推論を立てて実験を行っていました。そこで科学者たちが考えたのがスイスアルプスの山奥の山小屋に被験者を1週間閉じ込めて、そこでビュッフェ形式で食べ物を提供し、どのような食べ物を好んで頼むかということを全て記録するという方法です。

被験者のタンパク質の摂取カロリー比率は約18%でした。この研究では続きがあり、2つのグループに分けて調査を続けています。途中でタンパク質の食事が多いビュッフェとタンパク質の食事が少なく炭水化物の食品ばかりのビュッフェに移るのです。高タンパク質組は、タンパク質を大量に食べることで満足をして全体の食べる量を減らし、逆に低タンパク質組は、炭水化物に含まれるタンパク質を摂取することで、18%分のタンパク質が満たされるまで、食べ続けました。その結果として、高タンパク質のグループは総摂取カロリーが自由選択段階に比べ38%減った一方で、低タンパク高炭水化物のグループは摂取カロリーが35%も増えたそうです。

われわれの食欲をコントロールしているものは、タンパク質をどれだけ食べたかによるのです。炭水化物の多く含まれた食事を食べていると、タンパク質が少ししか入っていたいため、たくさん食べないとタンパク質欲が満たされないため、たくさん食べるのです。ご飯だけならいくらでも食べられるというのは、ご飯自体がタンパク質が8%程度と少なく、炭水化物が多いからです。逆にお肉だけたくさん食べるということはできません。タンパク質の欲が十分に満たされるからです。

タンパク質の食べ過ぎは老化を早める

タンパク質比率の高い食事をすれば、食欲を抑えることはできます。ただしタンパク質を取りすぎるのは体には良くはありません。タンパク質が体に良いというわけではなく、高タンパク質食をとることによって総摂取カロリーを抑えられるという事だけです。

マウスの研究では、寿命か最も長かったのは、低タンパク質、高炭水化物の餌を食べたマウスでした。繁殖については高タンパク質、低炭水化物マウスの方が有利だったのです。

日本経済新聞
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そして、低タンパク質高炭水化物マウスは確かに寿命が長かったのですが、たった一つの難点があります。それは何かというと太っていたのです。ぽっちゃりの人が長生きする↑↑↑の報告と同じ結果です。

食欲のブレーキが起動するまでのタイムラグがあるから、最初に食物繊維を食べよう

私達が食べる量を制限するのに大きな役割を果たしているのが食物繊維です。食物繊維は、食品のなかにある成分のうち、体内の消化酵素で分解することができない物です。消化されずに大腸まで届きます。体のエネルギー源にはなりません。私たちの胃や腸の処理能力には限界があるため、食物繊維があればあるほど、タンパク質や炭水化物を含む食べたものを胃や腸で処理して吸収するスピードを遅くします。

例えば、リンゴを四つ食べることはできませんが、ジュースにするともっと食べられます。リンゴ四個分のジュースを飲むことはできるはずです。理由はジュースにするとりんごの食物繊維のほとんど(90%程度)が絞りかすとして取り除かれるためです。ジュースで摂取すると、胃や腸で食欲のブレーキを発動させずに、全部飲み込みついついカロリーを摂りすぎてしまうのです。

口に入れてから食欲がストップするまで10分程度の時間差があります。 その時間調整をするために自然が用意してくれたものが「食物繊維」です。ある程度たくさんの食事を食欲がストップする前に食べてしまったとしても、十分な食物繊維が含まれていればカロリーコントロールも出来ます。また血糖の上昇も防ぐ事が出来ます

ジャンクフードや安い加工食品はタンパク質が少ないからたくさん食べてしまう

加工食品メーカーはこのタンパク質欲を知ってか知らずか低タンパク食を作っています。タンパク質が少ないほうがたくさん食べてくれるためよく売れるのです。またタンパク質が少ないと食べ物の製造原価が安くなります。さらに製造の過程でデンプンや糖に分解され食物繊維が取り除かれていしまいます。食物繊維は少ないと味がよくなりますから製造側には好都合です。

良くない加工食品を見分ける方法は、果糖ブドウ糖液糖やトランス脂肪酸が含まれていないかどうかです。香味料やアミノ酸や着色料や乳化剤増粘剤、甘味料などが含まれていなければ尚よいです。特にタンパク質比率の高い食事にする必要はありません。タンパク質のほとんど含まれない脂肪と炭水化物、つまりジャンクフードを減らすだけで、タンパク質の比率は高まります。そうすればタンパク質欲が作動し、それ以上食べるのを抑えることができます。

まとめ:ダイエットのためにやれること3つ

タンパク質摂取の必要量を覚える

タンパク質の摂取量15%を目指す。(高齢者は実はもう少し必要です。)

多種多様な動物性食品や高タンパクの含まれたナッツや豆などの植物性食品を食べる必要があります。普段食べている食品のタンパク質、脂肪、炭水化物、カロリー、飽和脂肪酸、ナトリウムなどの含有量を理解しておきましょう。

乳製品などはカロリーに占めるタンパク質の割合が17%ぐらい、肉類が33%ぐらい、卵が26%ぐらいです。また穀物類は10%前後あり、意外と高いということも覚えておいてください。パンは12%ぐらいパスタが16%ぐらいタンパク質がある一方で、実は白米は8%ぐらい玄米でも9%ぐらいしかありませんので、パン食よりも、ご飯食の方がカロリーの摂りすぎになるかもしれません。果物や菓子やアルコールなどはとても低いので注意が必要です。

食物繊維を先に食べる

タンパク質欲のブレーキを起動させるためのタイムラグを保てます。食物繊維は胃でふくらみ、食物の消化速度を遅らせ腸内微生物のえさになり、空腹感を抑えます。

加工食品を食べない

加工食品は食欲を刺激し、とても美味しく作られていますので、目の前にあるとつい食べてしまうので一番良い方法は家の中に持ち込まないことです。食品ラベルをよく見てください。市販の野菜ジュースは一見健康に良さそうですが食物繊維がなくタンパク質もなく糖分が多いです。ミキサーにかけることの意味、精製することの欠点を理解しましょう。加工食品は便利で安く、果物そのものは高く、タンパク質の高いものは金額が張るのが難点です。加工食品を買わないということで食費がかかるというのなら、ダイエット食品や健康器具を買うお金を倹約して捻出しましょう。

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