わたしイネ科の花粉症かしら?
ほぼ同じ内容の動画を作成しています。耳から情報を得たい方はこちらをご覧ください。
シルバーウィークは稲刈りのタイミングですね。この時期表題の訴えがふえます。イネ科の花粉症だと思うんですけど・・・。これは半分あたりの半分外れです。
どういうことかと言うと水田の稲の花粉は厳密には8月の頭の一週間に飛んで受粉します。天候や品種によっても変わりますが水稲の花粉自体は長くは飛んでいません。 そのため水田の水稲の花粉症ではありません。
稲刈りの時期に鼻がムズムズする原因の最たるものは大きく三つ考えられます。
稲刈りの時期に鼻がムズムズする原因は大きく三つ
一つ目はイネ科でなくキク科の花粉症の可能性です。実は、秋の代表的な花粉は、キク科の花粉症になります 。 ブタクサ、ヨモギ、カナムグラと言う植物に代表されます。8から10月に花が咲き全国に分布しています。道路脇や公園、河川敷などにある高さ50 CM 前後の草です。稲刈りの時期と花粉が飛び始める時期が同じなので、間違いやすいのです。
二つ目は、秋に飛ぶイネ科の花粉に反応する可能性。もともとイネ科の花粉は春から夏にかけて飛散が多いのですが、同じイネ科のものでも秋に花粉飛散が起こる植物もたくさんあります。初夏にカモガヤに反応して鼻水のでるカモガヤ花粉症の人は、これらの秋に花粉を出すカモガヤ以外のイネ科の植物にも反応しやすいのです。このような場合、8月から10月にかけてイネ科の花粉症の人も鼻がムズムズします。
三つ目は水田で稲刈り後に出る稲わらの粉や脱穀の時にできる埃やイネ殻のカスなどを吸い込むことでイネ科の花粉症の症状が出る場合があります。 厳密には花粉に反応しているわけではありませんが鼻がムズムズする原因になります。
ダニアレルギーが始まるのも実はこの時期
その他にも通年性アレルギー性鼻であるダニアレルギーの人もこの時期に鼻がムズムズします。外に出ないで家の中でこの時期鼻がムズムズする人はダニアレルギーかもしれません。
ダニは夏に最も数が増えます。その寿命がだいたい2ヶ月ぐらいなので秋ぐらいにダニが死ぬわけです。その死骸がアレルゲンとなるのです。そのため9月から10月に ダニアレルギーの反応が一番強くなります。
秋のアレルギーは色々なアレルゲンが原因
このように秋には身近な植物や花粉屋内のアレルギー原因物質など様々な物が増えますのでアレルギーの原因が分かりにくい時期になります。3月であればスギのみしか花粉が飛んでいないのでスギ花粉症と診断するのは容易です。
秋に反応するアレルギー性鼻炎の方は原因が様々なので、はっきりとこれが原因ですと言えない人や色々なアレルゲンが混ざっている人も多いのです。
アレルギーの原因がなんであっても治療は一緒
しかしながらアレルギー原因が何であっても治療については一緒です。
自分がどの時期にどんな状況で鼻水が出るのか覚えておけば良いと思います。そうすれば、症状が出た時に適切な治療ができます。鼻水が出るときに抗アレルギー剤を飲む。目が痒くなるようであれば目薬もさす。
現時点でのアレルギーに対する治療のほとんどは症状を抑える薬を飲むというものになります。
そのため薬を飲んで数時間で効いて飲むのをやめれば数日できかなくなります。血圧の薬などと違いやめると血圧が上がったままになるというものではないので、アレルギーの薬は症状に合わせて飲む。症状が強い場合は毎日のみ、時々症状が出る人は症状の強い時だけ飲む。そういった対応で良いと考えます。
それでも原因を調べた方が良い?
アレルギーの原因が分かればその原因を取り除くという対応は可能です。
例えばダニアレルギーであれば部屋や布団などの掃除を丹念にやる。 キク科やイネ科の花粉症の場合は原因となる草木が生えている河川敷や公園草原に近づかない。 稲藁のホコリかすなどが原因で鼻が反応する方は稲刈りをしている水田や 天日干しをしている稲わらなどに近づかない。
こういった対応だけでも鼻がムズムズすることを減らすことは可能だと思います。
血液検査である程度アレルギーの原因を知ることもできますので興味のある方は医療機関を受診してみると良いと思います。ただし検査代金は、アレルギーの原因物質1項目あたり数百円かかりますので20種類は30種類調べると3割負担でも5000円以上かかりますので、お金を準備して受診しましょう。
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