いびきがひどくなって、息が止まって無呼吸になると病気です。いびきの原因について解説します。女性は更年期以後にいびきが増えます。
いびきは医学的には病気の範疇に残念ながら入りません。
いびきは医学的には病気の範疇に残念ながら入りません。 いびきをかいて寝ている本人は困っていないで、困っているのは一緒に寝ているベッドパートナーだからです。
もちろん寝ている本人がいびきで起きてしまったり、いびきによって息が止まったりして困っていたら病気の範疇に入ってきます。寝ている最中にいびきがひどくなり、酸素不足で心臓バクバクしただしたり、寝汗をかいたり悪夢を見たりといった、睡眠が非常に浅い状態を引き起こす場合、病気として扱われます。
これを睡眠時無呼吸障害といいイビキと異なった状態です。但しこの状態のほとんどの方がイビキを伴うので、イビキの方に重大な病気が隠れているため注意が必要です。
残念だけど、イビキに効く薬はありません。
いびきは残念ながら薬の服用では治りません。いびきは、首周りのノドの部分で、空気の通り道が狭くなっているためにおこります。空気の通り道のノドが、睡眠中に狭くなり、寝息がノドの粘膜がふるえることによっていびきの音が作られます。
この他には、鼻が詰まっていたり扁桃腺が大きくて物理的に喉の空間が狭い場合にもイビキをかきます。これは年齢的に扁桃腺が大きい時期である3歳から10歳ぐらいの子に多く認められる症状です。
大人ではアレルギー性鼻炎を持っている方や、成長期を終えて鼻の左右の穴を分けている衝立である鼻中隔が曲がっている方では、鼻づまりがいびきの原因となります。鼻が詰まることによって睡眠時に口を開けて呼吸することが多いため、鼻呼吸に比べて舌が奥に落ちやすく、いびきを発生させます。
30歳から40歳の中年以降のいびきに関しては、口の突き当りから、首回りのノドの高さで気道が狭くなることがいびきの主な原因となります。2011年の報告では日本人でイビキをかく人の割合は、男性24%女性10%とされています。
子供のいびきは手術や点鼻薬で治ることもあります。
鼻が詰まっていたり扁桃腺が大きくて物理的に喉の空間が狭い場合にもイビキをかくと書きました。3から7歳くらいまでのお子さんのイビキの原因で最も多いものです。鼻の突き当りにアデノイドという扁桃腺の兄弟みたいな部分があり、5歳の時に一番大きくなります。このため鼻水がなくても鼻の奥で詰まってイビキをかく原因となる事があります。
アレルギー性鼻炎のための点鼻薬はこのアデノイドを小さくする効果があるといわれています。点鼻薬治療でアデノイドが小さくなればイビキの改善が期待できます。これに加えて7歳の時には口からみえる口蓋扁桃も最も大きくなります。アデノイドと口蓋扁桃が大きい場合は、この二つを取る手術を行うと劇的にイビキが改善します。入院が必要となりますが効果も大きい(日本での242名の報告では85.3%で睡眠時の無呼吸指数の改善)(参考文献)です。
3歳から7歳くらいのお子さんで寝苦しそうという場合は医療機関に相談してみてください。お子さんの場合の無呼吸障害は、おねしょや体の成長の遅れ(低身長、低体重)、日中眠たそうにしている、集中力がないなどで気付く場合もあります。
若い時はしなかったのに、年取ったせいかも、最近イビキがうるさいって言われる。
年を取ってくると生活習慣の変化が大きくいびきの発生に関係してきます。加齢とともに体型が変化し首周りに脂肪がつき喉を狭めます。お腹周りに脂肪がつくように、顎周りにも脂肪がつくわけです。
ストレスや疲れがたまったり年齢的な筋肉の張りの低下から筋肉が緩み上気道を狭めるようになります。アルコールを習慣的に摂取することによって筋肉が緩みやすくなったり鼻の粘膜や喉の粘膜が血管が広がることで膨らみ結果的に空気の通り道が狭くなることがあります。
閉経後の女性に関しては、女性ホルモンが減り筋肉を広げる働きが弱まり喉が狭くなりやすくなることが分かっています。そういった状態で仰向けで寝ることによって重力によってベロの根元などの筋肉が背中側に落ち込みやすくなります。
イビキ体型ってあるの?、イビキは遺伝する??
外見上、首が太くて短い猪首の人、下の顎が小さく、横顔を見たときに下顎が後ろに引っ込んだ感じになっている方など、イビキをかきやすい体系的な要因はあります。 さらにのどちんこが長かったり扁桃腺が大きかったり舌が大きい人もいびきをかきやすいと言えます。
イビキ自体遺伝する病気ではありません。身長が低い家系や高い家系など、身体的形状が 親子で似る傾向にあるため、イビキ体型は親子で似てくるため、イビキをかきやすい体形は遺伝するかもしれません。
耳鼻科に受診すればこの辺りの構造を、鼻から喉まで内視鏡検査で、目で見て確認でき供覧できますのでもう少し具体的にイメージができると思います。
やせるしかないのかあ
自分でできることは、あごの周りの脂肪を減らすということしかありません。筋肉のゆるみに関しては口の中の筋肉を鍛えることしかないのでしょうが、リラックスしているときの緩みまではコントロールできないと思います。仰向けで寝ると、ベロの根元が重力で落ちますので、横向きで寝ると少しは気道が広がるのでイビキは少なくなります。
横向きで寝るための抱き枕なども使ってみてもよいかもしれません。現実的ではありませんが座って寝るというか、上半身はやや起き上がった状態で寝るようにベットなどを立てればイビキは減るかもしれません。
注意するイビキについては別コラムでお話ししたいと思います。
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