キーン、ブーン、耳鳴りの音5種類を耳鼻科医が解説

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富田雅彦:耳鼻咽喉科専門医: ドクターズファイル

めまい平衡医学会認定めまい相談医

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富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

今日は、耳鳴りの種類、音についてのお話です。朝起きたら急にキーンという耳鳴りがしてきた。気付いたらブーンという音が耳から聞こえる。このまま耳が変になったらどうしよう。手遅れにならないように病院へ行った方がいいのかなぁ

こんな悩みを感じている方へ、耳鳴りの音からどんな病気が考えられるか、病院へ受診すべきか説明していきますので、ぜひ最後までお読み下さい

耳から聞きたい方は同じ内容の動画もあります。参考にしてみてください。

目次

すぐに病院受診すべき耳鳴りは、一日中続いて、しかも片耳の場合

これから具体的に説明する耳鳴りは5種類です。

①寝る前に横になったら聞こえる、とっくんとっくん、ドクドクという耳鳴り

②頭をふったり、口を開けた時に耳の中で聞こえるガサガサコソコソという耳鳴り

③耳の詰まり感とも表現される、ブーンというモーター音のような耳鳴り

④甲高いキーンや電子音のようなピーンという耳鳴り

⑤色々な音が混じった雑音のザーザーや蝉の鳴くようなジージーという耳鳴り

順番に解説していきます

耳鳴りは体の外で音がしていないのに、何か音がしているように感じる状態のことです、つまり寝る前などに周りが静かなのに、なにか音がしていると気づく場合これが耳鳴りです。

まず始めに、耳鳴りの音の種類に限らず、2つの事を確認してください。

その耳鳴りは、短期間で収まりますか一日中続いていますか?

その耳鳴りは、片耳ですか両耳ですか?

片耳から耳鳴りがして、1日中つづく場合は、すぐに耳鼻科を受診しましょう。

前日寝不足で朝起きたら耳鳴りがしていたけど、昼間にはいつの間にか治っていた。このような耳鳴りは病院を受診する必要はありません。

睡眠が十分に取れなかったりストレスがあったりすると自律神経のバランスが乱れます。神経が過敏な状態になり、一過性の耳鳴りの症状を出現させてしまうと考えられます、

一日中耳鳴りがしていて、睡眠時間を十分にとり、不安や疲労と言ったストレスを遠ざけたのに翌日もまだ耳鳴りがあれば、病院を受診してください。

次に両耳耳鳴りが起こってるか、片耳が起こっているか判断してください

両耳ということであれば、疲労やストレスで起こっているものや、年齢による変化、いわゆる加齢性難聴による耳鳴りです。

一方、片方だけの耳鳴りの場合は体の調子というよりは耳の調子が、乱れているサインです。つまり、片方の耳そのものに何らかの異常がある場合がほとんどです。

特に片側の耳の聞こえが急に悪くなる、突発性難聴や急性低音障害型感音難聴などの病気が原因となって耳鳴りが出現します。早めの治療が必要となるので病院を受診してください。

それでは耳鳴りの音の種類に応じて考えられる病気を説明します。

①寝る前に横になったら聞こえる、とっくんとっくん、ドクドクという耳鳴り

夜寝る前に片方の耳を下にすると、ドクンドクンと音が聞こえる。これは拍動性耳なりといわれるものです。音がしたときに手首をさわって心臓の脈打つ音と比べると一致するはずです。これは、耳の奥の血管の血の流れる音が聞こえているのです。両耳だけでなく片耳の耳鳴りとして感じる方が多いです。

神経が高ぶり血圧が高めになって、耳の奥の血液の流れが増えたり、動脈硬化により血の流れが渦を巻いたりした場合に発生します。

この場合、長時間続くものでなければ全く問題がありません。血液の流れの乱れがなくなれば自然に治ります。

耳の奥の腫瘍や血管の奇形による異常な血管により聞こえる場合もあります。この場合自然になおりませんし、私が20年以上耳鼻科診療をしていて診断したのは2例だけときわめて稀ですので心配する必要はありません。

②頭をふったり、口を開けた時に耳の中で聞こえるガサガサコソコソという耳鳴り

頭を振ったり、口を開けたりした時に耳の中がガサガサ、ゴソゴソ言うのは耳鳴りではなく耳垢です。髪の毛1本が耳に入っただけでも、毛先が鼓膜に当たると、太鼓のようにポンポンと音がなります。口を開けると耳の穴の前方が動くため、耳垢や髪の毛が動き、音がでて耳鳴りのように聞こえる場合があります。シャワーの水をあえて耳に入れてみてみてもよいかもしれません。耳鼻科で耳掃除をすれば一発で治りますので気になる方は病院を受診をオススメします。

以上の二つは、音の元となる音源が鼓膜周辺に存在する、耳鳴りです、

これらと異なり、ほとんどの耳鳴りは、体内に音の元となる音源がありません。つまり本人にしか聞こえない耳鳴りです。

にもかかわらず、音が聞こえる原因はなんでしょうか。

実は、耳ではなく脳の中の異常な神経活動により引き起こされていると考えられています、

脳の異常な神経活動の原因は難聴が引き起こしています、実際難聴のない人の場合、一日中続く耳鳴りは出現しません。そして難聴の程度が大きいほど、耳鳴りが大きくなる傾向があります

又は、難聴がある周波数、聞こえにくい音の高さによって、耳鳴りの音が変わります。高い音が聞こえにくい難聴の人は、高い音の耳鳴りが、低い音が聞きにくくなった場合は低い耳鳴りがすると考えられています。

③耳の詰まり感とも表現される、ブーンというモーター音のような耳鳴り

ブーンというモーター音のような耳鳴り、人によっては換気扇の様な音がするという方もいます。これらは低い音の耳鳴りです。この場合は低い音の難聴があると考えられます。つまり、急性低音障害型感音難聴の可能性があります。

このような耳鳴りにめまいを伴えば、メニエール病の可能性もあります。ほとんどが片耳ですので、ブーンという耳が詰まる感じがあったら、病院を受診しましょう。

④甲高いキーンや電子音のようなピーンという耳鳴り

一方金属音のようなキーンという音や、電子音のようなピーなどの音が聞こえる場合は、高い音が聞きとりにくくなっている可能性があります。片耳で急に起こった場合は、突発性難聴が疑われます。半年以上、両耳で聞こえる場合は、加齢性難聴に多い耳鳴りです。

⑤色々な音が混じった雑音のザーザーや蝉の鳴くようなジージーという耳鳴り

ザーザーや、セミの鳴くようなジージーという音の耳鳴りは、雑音性の耳鳴りです。両耳で鳴っていて、長く続いてるものは、やはり加齢性難聴による耳鳴りです。高い音だけでなく、全体的に聴力が落ちている場合が考えられます。キーンだけでなく、いろいろな音の周波数の耳鳴りが発生しているため、セミの音の様に聞こえるわけです。

国民生活基礎調査によると65歳以上の日本人の約3割に耳鳴りの症状があるそうです。加齢性難聴による耳鳴りの人がたくさんいることが分かります。

耳鳴りは難聴が治れば改善や消失が期待できます。急に耳鳴りがして病院を受診し、適切な治療により難聴が改善すれば、それに伴い耳鳴りも治ります。

まとめ

病院に受診すべき耳鳴りは片耳一日以上続くものです

難聴のない場合、耳鳴りがながく続く方は稀です

耳鳴りは難聴のある音の高さと同じくらいの周波数の音がします。

つまりブーン、モワーンという低い音の耳鳴りは低音が障害された難聴の可能性があります

逆にキーン、ピーというものは高い音の難聴で出現します。

加齢性難聴は高い音の聞こえから障害されていきますので、高い音の耳鳴りや蝉の鳴くような耳鳴りを感じている方が多いです。

難聴が治れば耳鳴りは治ります。

突発性難聴などは早めの治療で難聴の改善が期待できますので、片方の耳が、急に1日中耳鳴りがしているという場合は、病院を早急に受診してください。

加齢性難聴であったとしても、もし難聴が治ることがあれば耳鳴りも治ることが予想されます。しかし残念ながら、現代の医学では若返りの薬はありません。つまり加齢性難聴が元に戻る薬はなく、加齢による耳鳴りがゼロになる薬はないのです。

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