コロナワクチン接種後の心筋炎の副反応について解説。特に若い男性は、接種後4日以内に胸の痛みが出たら、病院へ受診を

この記事を書いた人
富田耳鼻科@新発田市

富田雅彦:耳鼻科クリニックの医師です。
富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

富田耳鼻科@新発田市をフォローする

ファイザー社製コロナワクチンが、12歳以上の若年者まで接種年齢が拡大されました。特に若い人に多いとされるワクチンによる免疫反応の中から心筋炎について解説します。

当院ではファイザーワクチンの予防接種を行っています。まだ18歳以上までの接種しか行っておらず心筋炎の副反応の当院での経験はありません。医学論文や厚労省の発表からの正確な情報のみを紹介しています。

コロナワクチン予防接種により心筋炎の症状が確認されている

厚生労働省は、ファイザーワクチンの予防接種を受けた7人に、心筋炎などの症状が確認されたと報告しています。

2021年5月までに国内でファイザーワクチンの接種を受けた976万人のうち、7人が、心筋炎や心膜炎を起こしたとのことです。7人のうち6人は男性で2回目の接種後です。

「現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」と厚労省はコメントしています。

アメリカとイスラエルからも報告があり、若い男性に報告が偏っている

アメリカとイスラエルからも最近報告がされています。2回目接種後に多く、若い男性により多いということが特徴です。もともとヨーロッパで56歳男性と、39歳男性のワクチン接種後の心筋炎の報告はありました。

アメリカからの7名の報告は次の論文です。doi.org/10.1542/peds.2021-052478

コロナウイルス予防接種後4日以内に胸痛を訴えて病院を受診した、心筋炎の7名の報告です。年齢は、14-19歳で全例男性でした。

7名中5名が病院を受診した時、発熱していたそうです。鼻の奥からPCR検査を行っていますが、陰性であり、コロナウイルス感染は否定されています。

もちろんワクチンの中にはウイルスは入っていないため、ワクチンによりウイルス感染することはありません。

2021年1月から4月までの280万回以上ワクチン投与されたアメリカ軍からの報告もあります。23人の男性軍人に心筋炎の発症を認めています。20人は2回目の後に発症しています。20-51歳で中央値は25歳です。

モデルナワクチン接種後でも起こっています。23人中16名がモデルナワクチンを7名がファイザーワクチンを接種しています。4日以内に胸痛で発症しています。

イスラエルからも同様の報告があります。doi.org/10.1016/j.vaccine.2021.05.087

2021年1月30日から2月22日までの3週間の間で6人の男性が心筋炎の疑いで入院しています。全てワクチン接種の直後で、こちらも全員にPCR検査にて、コロナウイルスの感染は否定されています。

5人は2回目の予防接種後4日以内に、残り1人は1回目接種後16日後に発症しています。年齢は16から45歳で、中央値は22歳でした。

心筋炎の症状は、胸痛やだるさで心電図などで判断される

心筋炎の症状は胸の痛み、動悸や息苦しさなどです。心臓の筋肉に炎症が起こり、心臓の動きが悪くなって症状が引き起こされます。

風邪の後に起こる場合が多く、自然に治ってしまう軽症例から、ショック状態となる、劇症型の重症な例もあります。

診断のためには病院などで心電図や心エコーをしてもらう必要があります。

上の2つの報告では、重症化はせず全例軽微な治療で軽快しています。

予防接種による心筋炎の発生頻度がどのくらいかはまだ分かっていません。しかしアメリカの国家機関はジョンソンアンドジョンソンのワクチンでは報告はなく、ファイザー社製以外にもモデルナ社製でも報告があるとしています。

Clinical Considerations: Myocarditis after mRNA COVID-19 Vaccines | CDC
Clinical considerations for myocarditis and pericarditis after receipt of mRNA COVID-19 Vaccines among adolescents and young adults.

アメリカでの予防接種後の心筋炎のうち12歳から24歳が52%を占めているようです。このうちほとんどは問題なく退院しているようです。ただし全例ではなくICUでの治療も行われた報告もあるとのことです。

詳細な結果を待ちたいところです。2021年6月23日にアメリカCDCから報告がありました。

CDC Awardee COVID-19 Vaccination Planning Meeting

2021年6月までに3億回以上の接種をされたうち、ファイザー社製で791人、モデルナ製で435人の心筋炎の症例がいたそうです。両方を合わせると100万回中12.6件の割合です。

副反応報告システムに登録された323例の29歳以下の心筋炎のうち、309例が入院して295例が退院しています。79%は完全回復したそうです。6月11日時点で9人が入院中、2例がICU管理になっています。

2回目のほうが1回目の後より発生頻度が高い。若い男性に多い。4-7日以内に発生している例がほとんどとのことです。

発症頻度は低く、心筋炎になってもほとんどで軽快しているが、4日以内に胸痛があれば若い男性なら必ず病院へ

正確に予防接種と心筋炎の関連が発表されました。予防接種後の免疫反応で心筋炎を引き起こす場合があることは覚えておく必要があります。

発生頻度はすくなそうです。接種後の4日以内の胸痛やだるさ、呼吸困難などがあれば、病院で心電図などで調べてもらいましょう。医療機関側もまだ、副反応としての心筋炎を認識していない場合もあります。

あなたが若い男性であれば必ず医師に進言しましょう。『私は、心筋炎ではないですよね』と。だるさと発熱も翌日1日で治れば良いです。しかし翌々日まで続くようで治る感じがなければ、病院受診を勧めます。

タイトルとURLをコピーしました