モデルナとファイザーどっちを打つか。有効性と副反応を比較も差はわずか。早く打てる方を最優先に。

モデルナのワクチンが承認されました。ファイザーとモデルナどっちがいいのでしょうか。モデルナワクチンの優劣を説明します。ちなみにアストラゼネカのワクチンは有効性がやや劣り、血栓症の危険がわずかながらあるため、日本では積極的には使われないと考えます。それでも例年のインフルエンザワクチンよりは有効性は高いんですけどね。

当院ではファイザーワクチンの予防接種を行っています。医学論文や厚労省の発表からの正確な情報のみを紹介しています。

この記事を書いた人

富田雅彦:耳鼻咽喉科開業医

病院に受診しないために役立つ医療知識を発信中

筆者への取材記事リンク@ドクターズファイル

富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

目次

ファイザー、モデルナどっちでもいいから早く打ちましょう

結論から先に言います。ほとんど効果も副反応も割合は変わらないので早く打てるほうにしましょう。大規模接種はモデルナワクチンが使われるようです。市町村に対しては引き続きファイザーのワクチンが供給されそうです。

モデルナワクチンは東京や大阪の大規模接種センターで使用され始めています。ファイザーとどちらのワクチンが良いのでしょうか 。どちらもmRNA ワクチンですので基本的な効果や副反応はほとんど変わりがありません。6月23日の厚労省からの報告を以下の記事にまとめてみました。

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臨床試験ではファイザーの方が効果が高く副反応は少ない、けど差はわずか

発症予防効果は、ファイザー社製が95%、モデルナ社製が94%です。わずか1%の差です。どちらも極めて高い効果がありますので誤差の範囲と思います。 

副反応を比べましょう。アメリカの疾病対策予防センター(CDC)がワクチン接種者からのリアルタイムのデータを集計しています。 4600万人かワクチン接種を行い、うち364万人が登録したデータから2つのワクチン接種後の副反応を調べ、報告した論文があります。doi.org/10.1001/jama.2021.5374

モデルナ社ワクチン接種の副反応はファイザー社のものより、わずかですか頻度が高いです。どちらのワクチンも1回目より2回目でこの副反応は強く出ます。 

2回目の副反応は、接種部位の痛みがファイザー66.5%、モデルナが78.3%です。全身倦怠感は、ファイザー47.8%、モデルナ60.0%、発熱はファイザー21.5%、モデルナ37.6パーセントでした。 どちらのワクチンも接種後1日目に、最も副反応が起こりますが、1週間以内に収まっています。

厚労省からの報告では2回目後の発熱がモデルナで75%と高い

7/21に厚労省からの主に自衛官に対するモデルナワクチン接種の副反応の報告がでています。

980人の75%で2回目接種後の翌日に37.5度以上に発熱を認めています。しかも20代から50代まで一律で高い割合でした。全身倦怠感も80%にでており、年齢に関係がありませんでした。

モデルナワクチンの2回目接種の後は解熱鎮痛剤の準備が必要かもしれません。ロキソプロフェンでもアセトアミノフェンでもどちらでも良いです。しかしながら予防内服はお勧めしません。発熱があってから内服しましょう。

発熱後2日以内に下がれば特に心配はありません。

一回の注射の量が異なります。ファイザーは0.3ml、モデルナは0.5mlです。ただし筋肉注射で針も細いので、インフルエンザワクチンよりは両方とも注射時の痛みは少ないので、注射量の差は気にしなくても良いと思います。

モデルナワクチンに特徴的なモデルナ・アームについても、まとめました。

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リアルデータはモデルナのほうが感染予防効果が高い

ファイザーが86.1%に対して、モデルナは93.3%の感染予防効果でした。

PCR検査を行った13万6532名のワクチン接種の状況を調べた、アメリカメイヨークリニックからの報告です。https://www.cell.com/med/fulltext/S2666-6340(21)00238-5

上記のように、感染予防効果はモデルナワクチンのほうが高かったです。

しかし、入院治療をしないで済んだ割合、つまり重症化を防いだ割合は、ファイザーが88.8%に対して、モデルナが86.0%と同等でした。ICUに入るほどの重症化を防いだ割合は両ワクチンともに100%です。

デルタ株への効果は、モデルナの方が良いかも・・・

8月にモデルナの効果についての報告が2個出ています。一つは24名の報告、もう一つは前述のメイヨークリニックからの報告です。以下の記事を参照ください。

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7/29発行のアメリカのCDC内部文書では、デルタ株へのワクチン接種の効果については、ヨーロッパからの論文の引用にとどまっており、アメリカの正式データは出ていません。

デルタ株への効果は、ファイザー社のワクチンについて、 以下の記事にまとめています。

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2回目の接種が3と4週間後とで異なる。ファイザーは3週間後と少し早い

ファイザーのワクチンは接種スケジュールが3週間間隔で2回。モデルナのワクチンは4週間間隔で2回です。2回目の接種を終えてから1から2週間で免疫を完全に獲得すると考えられます。

モデルナのワクチンの方が一週間遅くなります。ただし、予防接種の予約を取ろうとすると、場所によって1週くらいは平気で違うと思います。どちらか一方でも良いので、早く接種できる場所を予約しましょう。

アナフィラキシーショックの報告では、モデルナワクチンの方が少ないです。ファイザーが20万人に1人、モデルナは35万人に1人です。ただしどちらも死亡例はありませんし、適切に対処すればアナフィラキシーでは命は落としませんので、この差も気にすることはないと思います。

禁忌の人は、2社ともに過去にmRNA ワクチンで接種してアナフィラキシーを起こした人、ポリエチレングリコールアレルギーの人です。ワクチン1回目の接種前にこの2つがあったかどうかを知ることはできないので、ほぼ全ての人がワクチン1回目は受けることはできます。

スクロールできます
ワクチン臨床試験上効果副反応 
痛み: 全身倦怠感 : 発熱
リアルデータ
感染予防 : 重症化防止
投与量投与間隔デルタ株への効果アナフィラキシーショック
ファイザー95%66.5%: 47.8%: 21.5% 86.1%: 88.8% 0.3ml3週88.0%20万分の1
モデルナ94%78.3%: 60.0%: 37.6% 93.3%: 86.0%0.5ml4週未発表35万分の1

ワクチンの保存方法が異なったが今は同じ。ファイザーは12歳以上と中学生でも接種可能に

同じようなワクチンで、どうしてモデルナのワクチンが出てきたのでしょうか。やはり1社より2社の方が安定供給されます。

それ以外にモデルナの大きなメリットは冷蔵保存可能期間が長いことです。ファイザーのワクチンは超低温冷凍庫での保存つまり-80°から-60°での冷凍が必要でした。さらに解凍した後の冷蔵保存は最大1か月です。

一方モデルナのワクチンは、-25°から-15°での保存です。通常の冷凍庫で保存可能なのです。しかも冷蔵庫に移動してからは、最大30日間保存がききます。

接種会場へのワクチン配送のスケジュールを簡素化できるのです。今までファイザー社製は、週2回接種会場への配送が必要でしたが、冷蔵保存が1か月可能となり間隔が伸びるかもしれません。。

これはファイザー社が解凍したワクチンを冷蔵庫で1ヶ月保存しても、薬剤が安定していることを示すデータを提出しました。

5月17日にはヨーロッパで、5月19日にはアメリカで共に冷蔵保存できる期間を5日から30日間に変更しています。5月31日には日本でも1か月冷蔵保存可能となりました。更に12歳以上が接種可能と対象者が拡大しました。

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1ヶ月保存が可能であれば、今後ワクチンの管理が楽になり、予防接種する場所も増えるのではないかと考えます。

ただしそれでも例年のインフルエンザワクチンのようにはいかないと思います。

それでもやっぱりインフルエンザワクチンのようにはいかない

モデルナのワクチンは、1バイアルに10人分が入っているからです。ファイザーは6人分、インフルエンザワクチンは1人分か2人分です。

接種会場でワクチン内の薬剤を液体で溶解した後は、6時間以内に使う必要がある。これはコロナのワクチンもインフルエンザワクチンも同じです。つまり一日にコロナのワクチンは6人か10人の倍数で打つ必要があるのです。

ファイザーよりモデルナワクチンの方が余る確率が増えるわけです。こう考えると一度にたくさんの人数を接種する施設の方が、モデルのワクチンを使うほうが効率的かもしれません。余る数が少なく見積もれます。

厚労省は以下のように発表しています。

『現在、武田/モデルナ社のワクチンについては、既存の接種体制への影響を最小 限にし、円滑に接種を進める必要があることを踏まえ、まずは大規模接種会場において用 いることとしており、今後、職域における接種へ利用範囲を拡大する見込みである。ま た、今後の状況次第ではあるが、住民向け接種を実施することも想定される。』 

個別接種は今まで通りファイザーのワクチンか使われるようです。絶対にファイザー製が良いという人は個別接種を選択しましょう。予約が入りづらいですけどね。

結論:絶対ファイザーなんてことは考えなくても良いです。

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