デルタ株は潜伏期が3.7日と短く、1260倍感染力が高い。1人の感染者は感染後早い段階から平均5から9人感染させる。それでもファイザー2回接種後には感染抑制効果は十分にある。

コロナウイルスの変異株であるデルタ株が猛威を振るっています。このデルタ株について解説します。依然コロナワクチンは非常に有効ですので積極的に予防接種をしましょう。

当院ではファイザーワクチンの予防接種を行っています。医学論文や厚労省の発表からの正確な情報のみを紹介しています。

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富田雅彦:耳鼻咽喉科専門医:ドクターズファイル

病院に受診しないために自分で判断できるような医療知識を発信中

富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

目次

デルタ株は、ウイルスの増殖スピードが速く、潜伏期間が3.7日、ウイルス量は1260倍

日本での新型コロナウイルスは、現在デルタ株に変わっています。

アメリカの国家保健機関であるCDCの内部文書によれば、従来株では1人の感染者は2から3人に感染させる程度でした。しかしデルタ株は5から9人に感染させるとのことです。

この情報は、7/29にワシントンポストが報道しています。Internal CDC document urges new messaging, warns delta infections likely more severe – The Washington Post

日本での解析https://doi.org/10.1101/2021.06.12.21258835でも、デルタ株は変異していないウイルスつまりアルファ株以前のウイルスと比較して2倍うつしやすくなっていることがわかっています。

昨年流行した最初の変異していないコロナウイルスは、コロナウイルスに暴露して平均5.6日後に症状が出ると言われています。これを元にWHOや厚労省は潜伏期間が5-6日と情報発信しています。

デルタ株はウイルス増殖スピードが速くなっています。中国からの167人のデルタ株感染者の潜伏期とウイルス量を調べた研究が発表されています。デルタ株は潜伏期が2日短縮しており平均3.7日後であったそうです。https://doi.org/10.1101/2021.07.07.21260122

つまりデルタ株はウイルスの増殖スピードがはるかに速いのです。先の研究ではPCRで陽性となるまでにウイルス量を増幅させた回数(Ct値)が通常株で34回だったのが、デルタ株では24回と少ない回数で陽性と判定されたとのことです。

変異していないコロナウイルスに対して、デルタ株のウイルス量は1260倍もあったというわけです。

1人の感染者は、5から9人に感染させる。
ウイルス量は以前の1260倍
感染したら平均3.7日と以前より早く発症する

だから急速にデルタ株が感染者を増やしているわけか

デルタ株はアルファ株より1.5倍感染力が高く、重症化も2倍高い

イギリス国立保健機関での評価では、デルタ株は現在主流のアルファ株の1.5倍、家庭内での2次感染の割合が高くなっています。

つまり感染した人の同居家族は濃厚接触者となりますが、いままでの1.5倍ウイルスを家族にうつしやすくなっているということです。いままでは子供には感染しづらいといわれていますが、家族内からお子さんへの感染が増えています。

同居内家族には、デルタ株は1.5倍うつしやすくなっている

だから子供の感染が増えているのか
学校始まったらどうなるのかしら

スコットランドからの報告https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)01358-1です。2021年4月1日から6月6日までのデータになります。5月下旬にはイギリスでは感染者の7割がデルタ株に置き換わっています。

この報告によると、デルタ株では入院の割合が2倍上昇していたそうです。つまりデルタ株は重症化しやすいといえます。コロナウイル感染による入院率は、アルファ株が36.2%であったのに対し、デルタ株は62.4%と高くなっていました。つまり1.85倍、約2倍です。

重症化するリスク 1.85倍

病床が少なくなっているのは、重症で入院する割合が高くなったからか
回復も遅いらしいし

現行のワクチン接種でも、デルタ株に効果が高い

スコットランドからの報告https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)01358-1でファイザー社ワクチンを2回接種し2週間以上経過した場合を調べています。

ファイザー社製ワクチンは、2回接種してから14日後には確実に変異株にも効果がありました。ワクチン未接種の人とワクチン接種の人で感染人数を比較すると、デルタ株で79%(75–82)も少なかったことがわかりました。

つまりデルタ株への効果は79%ということです。ちなみに、いままでのアルファ株では92%の効果でしたので効果は低下しています。それでも79%は非常に高い数字です。

スコットランドではモデルナワクチンでの報告はありません。イギリスからの最新2021年7月21日の報告では、ファイザー社製だけでなく、アストラゼネカのワクチンでもデルタ株への効果があることがわかっています。

イギリスで1万2675例のコロナウイルスを調べた結果です。1万1621例がアルファ株で、1,054例がデルタ株でした。

これらのウイルス感染症の人がコロナワクチンの予防接種を受けていたかどうかで、ワクチンの効果を推定しています。DOI:10.1056 / NEJMoa2108891

ファイザー社製ワクチンでは、デルタ株の感染者に対し、88.0%(95%CI、85.3〜90.1)の有効性でした。

アストラゼネカ社のワクチンでは、アルファ株への有効性は74.5%、デルタ株に対しては67.0%の有効性でした。

ファイザー社ワクチンはデルタ株に対する重症化も防ぎます。イギリスの国立保健機関からの報告です。デルタ株感染で入院する割合、つまり重症化率を96%減少させたとのことです。

ファイザー社製ワクチンは、若干効果が落ちるが88.0%とデルタ株にも効果あり
重症化に至っては96%減少させる

コロナワクチン接種1回だけでは感染は防げない、2回終えて2週間後から活動を

先ほどのイギリスからの報告では、デルタ株に88.0%の効果で、アルファ株に対しては93.4%でしたので若干効果が弱まっています。それでも2回接種すると効果は十分です。

注目すべきは1回目接種した人だけでみると、予防効果がないということです。アルファ株に対しては51.1%の効果であり、デルタ株に至ってはわずか33.5%の抑制効果しかありませんでした。つまりワクチン接種を1回しただけでは感染予防効果は著しく低いことがわかっています。

一回目打っただけでは33.5%の抑制効果しかない

2回目を打って2週間たたないと安心できないわけですね

モデルナワクチンでの報告はまだなく、デルタ株への正確な抑制効果割合は不明です。ファイザー社製と同じmRNAワクチンであり、デルタ株への効果もファイザー社製と同等と予想されます。8月に報告がでましたのでまとめました。

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最初に示した7/29発行のアメリカのCDC内部文書によっても、デルタ株へのワクチン接種の効果については、先に示したヨーロッパからの論文の引用にとどまっています。

まとめ:デルタ株は既存の1.5倍の感染力です。

今のうちにワクチンを接種し変異株に備えましょう。

2回目後2週間経ったら感染抑制効果は十分です。

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