デルタ株変異への対策で知っておくべき3つのこと。ファイザー2回接種後には、8割の感染抑制効果。アストラゼネカは67%にとどまる。

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富田耳鼻科@新発田市

富田雅彦:耳鼻科クリニックの医師です。
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オリンピックが開催され他国から人の流入が起っています。 コロナウイルスの変異株であるデルタ株が日本にて流行し始めました。このデルタ株について解説します。依然コロナワクチンは非常に有効ですので積極的に予防接種をしましょう。

当院ではファイザーワクチンの予防接種を行っています。医学論文や厚労省の発表からの正確な情報のみを紹介しています。

デルタ株はアルファ株より1.5倍感染力が高く、重症化も2倍高い

日本での新型コロナウイルスは、現在デルタ株に変わっています。

イギリス国立保健機関での評価では、デルタ株は現在主流のアルファ株の1.5倍、家庭内での2次感染の割合が高くなっています。

つまり感染した人の同居家族は濃厚接触者となりますが、いままでの1.5倍ウイルスを家族にうつしやすくなっているということです。いままでは子供には感染しづらいといわれていますが、家族内からお子さんへの感染が増えることが予想されます。

スコットランドからの報告https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)01358-1です。2021年4月1日から6月6日までのデータになります。5月下旬にはイギリスでは感染者の7割がデルタ株に置き換わっています。

この報告によると、デルタ株では入院の割合が2倍上昇していたそうです。つまりデルタ株は重症化しやすいといえます。コロナウイル感染による入院率は、アルファ株が36.2%であったのに対し、デルタ株は62.4%と高くなっていました。つまり1.85倍、約2倍です。

日本での解析https://doi.org/10.1101/2021.06.12.21258835でも、デルタ株は変異していないウイルスつまりアルファ株以前のウイルスと比較して2倍うつしやすくなっていることがわかっています。

現行のワクチン接種でも、デルタ株に効果が高い

スコットランドからの報告https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)01358-1でファイザー社ワクチンを2回接種し2週間以上経過した場合を調べています。

ファイザー社製ワクチンは、2回接種してから14日後には確実に変異株にも効果がありました。ワクチン未接種の人とワクチン接種の人で感染人数を比較すると、デルタ株で79%(75–82)も少なかったことがわかりました。

つまりデルタ株への効果は79%ということです。ちなみに、いままでのアルファ株では92%の効果でしたので効果は低下しています。それでも79%は非常に高い数字です。

スコットランドではモデルナワクチンでの報告はありません。イングランドからの最新2021年7月21日の報告では、ファイザー社製だけでなく、アストラゼネカのワクチンでもデルタ株への効果があることがわかっています。

B.1.617.2(デルタ)変異体に対するCovid-19ワクチンの有効性|ネイム (nejm.org)

ファイザー社製ワクチンでは、デルタ株の感染者に対し、88.0%(95%CI、85.3〜90.1)の有効性でした。

アストラゼネカ社のワクチンでは、アルファ株への有効性は74.5%、デルタ株に対しては67.0%の有効性でした。

ファイザー社ワクチンはデルタ株に対する重症化も防ぎます。イギリスの国立保健機関からの報告です。デルタ株感染で入院する割合、つまり重症化率を96%減少させたとのことです。

コロナワクチン接種1回だけでは感染は防げない、2回終えて2週間後から活動を

私の友人は、飲み会や一人飲みが好きだったが1年以上自粛していました。ワクチン接種の1回目を終えてすぐに飲みに出かけたそうです。ハッキリ説明していませんでしたが、ワクチン接種の効果は2回目2週間経過してからです。

イギリスで1万2675例のコロナウイルスを調べています。1万1621例がアルファ株で、1,054例がデルタ株でした。これらのウイルス感染症の人がコロナワクチンの予防接種を受けていたかどうかで、ワクチンの効果を推定しています。doihttps://doi.org/10.1101/2021.05.22.21257658

上記は、査読された正式な論文として7月21日に発表されています。DOI:10.1056 / NEJMoa2108891

その結果、ファイザー社のワクチンはデルタ株に対して87.9%の発症抑制効果でした。アルファ株に対しては93.4%でしたので若干効果が弱まっています。それでも2回接種すると効果は十分です。

注目すべきは1回目接種した人だけでみると、予防効果がないということです。アルファ株に対しては51.1%の効果であり、デルタ株に至ってはわずか33.5%の抑制効果しかありませんでした。つまりワクチン接種を1回しただけでは感染予防効果は著しく低いことがわかっています。

モデルナワクチンでの報告はまだなく、デルタ株への抑制効果は不明です。これはモデルナ製が主に接種されているのがアメリカですが、デルタ株の感染者数がまだ10%程度であり、十分な症例数がないからだと思います。結果を待ちたいところですが、ファイザー社製と同じmRNAワクチンであり、デルタ株への効果もファイザー社製と同等と予想されます。

まとめ:デルタ株は既存の1.5倍の感染力です。

今のうちにワクチンを接種し変異株に備えましょう。

2回目後2週間経ったら感染抑制効果は完璧です。

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