中学生の子供にコロナワクチンを打つかどうか。ファイザー製の対象者を12歳以上に拡大することの決め手になった論文を解説。

中学生にもコロナワクチンの予防接種が可能となりました。自分のお子さんにワクチンを打ったほうが良いか悩む保護者の方へ、正しい知識を提供します。接種させるかどうかは個別の自由な判断です。予防接種には保護者の同意が必要ですのでよく考えて決めましょう。

この記事を書いた人

富田雅彦:耳鼻咽喉科専門医:ドクターズファイル

病院に受診しないために自分で判断できるような医療知識を発信中

富田耳鼻科クリニック@新潟県新発田市舟入町3丁目11-18-7

目次

予防接種法に基づく公費での接種の対象は、12歳以上の方です。

厚労省の新型コロナワクチンQ&Aに上記記載があります。さらに『なお、接種の対象者は、現時点の科学的知見に基づいて決められており、日本においても、今後、接種の対象年齢が広がる可能性があります。』とも書いてあります。現時点での科学的知見はこの研究報告です。

doi.org/10.1056/NEJMoa2107456

12から15歳に対してもファイザーワクチンは極めて有効

アメリカで行われた調査研究です。12歳から15歳までの2260人の青年が予防接種を受けました。予防接種の方法や接種間隔は現在行われているものと同じです。3週間を開けての2回です。

半数の1131人が本物のファイザーワクチンを、残り1129人が偽薬といわれる生理食塩水を注射されています。

2回目の接種から7日以上経過した時点で、本物のワクチン接種した方では感染者0例でした。偽薬群では 16 例でした。ワクチンの有効性は100%でした。

元々感染者が少ないから、たまたまワクチン接種した方が0例になったのではと思われる方もいると思います。

そこで、接種前と接種後1か月目の血液を検査して、ウイルスを中和する(侵入を阻害して感染を防ぐ)力=免疫応答を測定しています。

12から15歳にワクチン接種をした後の免疫応答は、過去に報告されている16から25歳のワクチン接種後の免疫応答と比較して、1.75倍と遜色がないばかりか、大きな効果がありました。

副反応も大人と同程度で、アナフィラキシーや死亡例はなし

副反応は他の年齢群と同様に起きました。死亡した人、アナフィラキシーショックを起こした人はいませんでした。つまり重大な問題は起きませんでした。

一過性の軽度~中等度の副反応は大人と同様に起こっています。もちろん1から2日以内に治っていました。

注射部位の痛みが79~86%でしたが、重度の痛みは、わずか1.5%でした。

最も多く子供達がつらいと感じたものは疲労感と頭痛でした。疲労感が60~66%、頭痛が55~65%に出現しています。他に2回目の注射後、17%で発熱しています。

これらに対しては、アセトアミノフェンなどの解熱剤を約半数の人が使用ししました。40度を超える発熱は、わずか1人でした。

アジア系の投与者は1131人中72人でほとんどが白人

あえて突っ込みどころを紹介します。

アメリカでの報告ですから、全員がアメリカ出身者です。白人が85.9%で、黒人またはアフリカ系が4.6%、アジア人は6.4%でした。

新しいワクチンだから、長生きする子供たちの長期の副作用が気になると思います。

この研究のワクチン接種は、2020年10月15日から2021年1月12日までの間に行われたものです。2021年3月31日にデータをまとめています。そのため長期間観察したものでも6ヶ月です。

以上のファイザー社の臨床試験の報告以外に、アメリカから8月6日に実際に投与されたデータが発表されています。

この記事にまとめてみました

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中学生にもワクチン接種するべきか否か

絶対打つべき中学生は、大人と同じで、合併症や持病のある人だと思います。といっても、大人は高血圧なども持病のくくりに入っています。

中学生の場合は、重症の呼吸器疾患や現在悪性腫瘍の治療などをしている人などになると思います。

アメリカ小児科学会が、子供たちに対するワクチン接種の考え方を示しています。

doi.org/10.1001/jamapediatrics.2021.1974

ここでは積極的に接種を勧めています。『アメリカでは、2021年5月時点で400万人の子供がコロナウイルスに感染していて、数百人が死亡している。』この接種勧告は、この文から始まっています。

更に、現在生後6か月の幼児を対象とした研究も行われている。来年初頭には生後6か月以上の小児にもワクチンの適応拡大する予定とも書かれています。

日本ではアメリカの考えがすべて当てはまるわけではない

日本では小児の感染者数が、アメリカとは段違いに少ないです。よって現状では年齢が拡大されたからといって、すぐに全員打ちなさいというものではないと考えられます。

文部科学大臣の発言では、すぐに集団接種を行うことはないとのことです。学校での接種を考え始めた自治体もあります。

中学生にワクチンを打つべきかどうかは、政治なり、公衆衛生の研究者が考えをまとめて、情報提供してほしいと思います。絶対的な正解はないからです。

中学3年生、高校受験の時にコロナウイルスが流行っていて、もし受験をできなかったら。それを回避したいというような人は、ワクチン接種をしましょう。

でも、半年以上のワクチンの効果は今のところわかっていません。ので接種を受けるとしたら9月ぐらいでしょう。

ウチの子は予防接種1回目を終えています。毎年ののインフルエンザワクチン接種はしてません。それでもコロナワクチンの予防接種の有効度が凄く良いので迷いません。

9月には、もう少し世の中の情勢が変わって、具体的な指針がでていると思います。

まとめ:自分で考え、自分で選ぼう。間違った知識には左右されないように。

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